2017年12月13日
【抗糖化】業界からの関心高く 糖化ストレス対策が食品開発のキーワードに

【抗糖化】業界からの関心高く
糖化ストレス対策が食品開発のキーワードに


2010年頃より新たなアンチエイジングのテーマとして登場した抗糖化。「糖化は老化」(同志社大学准教授八木氏)と指摘され、認知度は年々上昇傾向に。産業界でも、「抗酸化に変わる新しいテーマ」として特にアンチエイジングの分野での期待が高まっている。先日開催された展示会、「ダイエット&ビューティー展」や「食品開発展」でも抗糖化に関連するセミナーが開催されいずれも満員に。業界からも高い関心が寄せられている。新たな美容テーマとして登場した“抗糖化”だが、現在では糖尿病などの生活習慣病対策の側面からも大きな注目を集めている。テレビをはじめマスコミでも取り上げられる機会は増えており、一般消費者の関心も高い。メーカーでは関連製品の開発を進めるなど、抗糖化がいよいよ業界のトレンドとなりそうだ。




■抗糖化セミナー、展示会イベントで大盛況

今年9 月に開催された「ダイエット&ビューティー/アンチエイジングジャパン」では、抗糖化セミナーと題し、同志社大学生命医科学部糖化ストレス研究センターチェア・プロフェッサー教授八木雅之氏、東海大学農学部バイオサイエンス学科教授永井竜児氏が講演。会場は満席になるなど、業界から高い関心が寄せられた。また、先月開催された食品開発展でも関連企業が多数出展、抗糖化素材の草分け「AGハーブMIX」を扱うアークレイや「桜の花エキス」を展開するオリザ油化、「マンゴスチンアクア」の日本新薬、ユニアル「えんめい楽」、林原産業「ヒシエキス」などが会場を賑わした。

抗糖化は、2009年秋にロート製薬の『エピステーム』、ポーラの『B.A. ザクリーム』と大手化粧品メーカーが糖化に着目した化粧品を上市。これをキッカケに“糖化が肌老化を促進する”として、美意識の高い女性を中心に糖化に関する認知度が徐々に広まっていった。その後、抗糖化食品素材の開発も進み、健康食品や一般食品へ採用されると、雑誌やテレビなどでも取り上げる機会が増え、糖化への関心が高まっていった。

現在では、生活習慣病リスクの拡大、アルツハイマー病との関連、老化促進の大きな要因として様々な視点から研究が進み、糖化対策の重要性が明らかになってきている。




■糖化を“摂りすぎない”“作らせない”“溜め込まない”

体内で糖化が起こるとAGEs(Advanced Glycation End Products 糖化反応最終生成
物)が生成され、AGEsの蛍光性・褐色変化・たんぱく同士の架橋形成などの特性によって、種々の病的老化を促進する。

前述のセミナーで同志社大学の八木氏が多角的な糖化ストレス対策についても触れており、「単にAGEsの分解だけでなく、①食後高血糖(グルコース・スパイク)の軽減、②糖化反応の抑制、③生成したAGEsの分解、④AGEsの代謝を高める(排泄促進)、⑤食品由来のAGEsの吸収抑制、⑥AGEsの生体内受容体の不活化が重要」と指摘した。

なかでも食後高血糖(グルコース・スパイク)については、近年マスコミでも大きく取り上げられるなど関心が高まっており、糖化とも密接な関係に。グルコース・スパイクは、血糖値が低い空腹時に糖質の高い食品や飲料を摂取した後、急激に血糖値が上昇し、また空腹時の低血糖値に戻ることの繰り返しにより空腹時血糖値と食後血糖値の差が大きくなる状態のことを指し、動脈硬化や脳卒中、心筋梗塞の原因ともされている。過剰な糖の摂取はグルコース・スパイクを発生させるだけでなく、血管内皮を損傷し、動脈硬化へとつながるほか、余剰の糖がタンパク質と結合することで糖化を加速させるとされている。

糖化対策には、“まず余分な糖を摂取しない(糖化食品の摂取も抑える)”、体内での“糖化反応を抑制する(作らせない)”、“AGEsの分解、代謝、生体内受容体の不活化(溜めない)”が重要となっている。




■機能性研究は「阻害から分解へ」

糖化は生活していく上で避けて通れない現象である。日々の食習慣や生活習慣の改善、運動などの対策が有効だが、もちろん限界も。糖化に対する認知が広がったことで、今まで以上に糖化対策食品への関心が高まっている。

アークレイからだサポート研究所の「AGハーブMIX」、オリザ油化の「桜の花エキス」や日本新薬の「マンゴスチンエキス」に代表されるように、AGEs阻害作用をいち早く見出した機能性素材が多くの食品に採用されており、この流れはさらに加速するとみられている。

一方で、最近の研究では新たにAGEsの分解作用にも着目。AGEs架橋分解作用や、酸化タンパク分解酵素(OPH)の活性増強作用が次なる糖化対策として着目されている。OPHは生体中組織中に広く存在しており、糖尿病ラットモデルの血清中ではOPH活性が顕著に上昇することが報告されていることから、糠化ストレスとOPH活性との関連が示唆されている。すでにいくつかの企業では、OPHに関わる視点から食品素材の分解作用に関する研究が進められており、今後ヒト臨床試験での成果にも期待が高まっている。

AGEsの分解作用に関する研究が進めば、糖化対策食品に配合する素材としても幅が広がり、バラエティに富んだ商品開発が可能となる。糖化対策は、いまや健康長寿を左右する重要なテーマとなっており、今後の食品開発の一つのトレンドテーマとなりそうだ。




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